妥当?不当? マンションのベランダで喫煙→5万円賠償命令!!

階下の男性住人が吸うたばこで精神的苦痛を受けたとして、名古屋市の女性が損害賠償を求めた裁判で、名古屋地裁は2012年12月13日付で「男性の喫煙は、受忍限度を超える」として、損害賠償5万円を命じる判決を出しました。

最近の喫煙者をめぐる社会をみると、喫煙制限を設ける場所は年々増ふえているといえます。学校、病院、交通機関などの公共施設、さらには路上だけでなく、家族が嫌がるという理由で、換気扇下や、あるいはベランダに出て「ホタル族」となる例も少なくありません。

今回訴えられた男性が「ホタル族」だったかどうかは定かではありませんが、この判決を通して、共有空間と喫煙行為について、もう少し深く考えてみたいと思います。

自由をどれだけ侵害したか

まずは今回の判決を詳しくみてみましょう。(ソースは時事通信と共同通信47NEWS

  • 訴えたのは名古屋市内のマンションに住む74歳の女性
  • 訴えられたのは女性の階下に住む61歳の男性
  • 女性は「ベランダでのたばこは苦痛。やめてくれとお願いしたが聞き入られなかった」として、
  • 男性に対して「精神的苦痛を受けたから損害賠償150万円支払え」と要求
  • 名古屋地裁は「男性は喫煙をやめるよう申し入れたのに継続したのは女性には苦痛」と判断
  • 一方で、女性側にも一定度合いの受忍義務があるとして「賠償額は5万円が妥当」と結論付けた

ちなみに「女性がマンションに入居後、2010年4月ごろから、たばこの煙が室内に入ってくることにストレスを感じ、家の中で吸うように手紙や口頭で求めたが、男性は応じず、11年9月ごろまでベランダで吸い続けた」そうです。

この判決、確かに簡単にいえば、「ベランダ喫煙で苦痛→5万円賠償」という意味になるのですが、裁判所としては、ベランダ喫煙自体は違法か適法かという判断には踏み込んでいないようにみえます。

問題にしているのは、「女性が苦痛を受けて、中止を申し入れたのにたばこを吸い続けた」という部分で、「たばこの煙を吸わずに生活する自由」が脅かされたという点にあるようにも思えます。

集合住宅での多い喫煙トラブル

判決をめぐってはネット上でも「賠償命令は行き過ぎ」「裁判官は非常識」という声がある一方で、「もっと賠償させてもよい」「裁判官の英断に拍手」といった声など賛否両論です。

喫煙者側の「吸いたい自由」と、非喫煙者側の「吸いたくない自由」は、どちらも押しつけになってしまいがちですが、煙や臭いが空気に乗ってどんどん拡散していく分、やはり喫煙者側が何らかの対策、対応を取るべきというのが一般的かなと思います。

もちろん「吸いたくない自由」があるからといって、わざわざ喫煙所に近付いていったり、必要以上にたばこを攻撃したりするのはケンカになりそうではありますが。

こんかい裁判沙汰になってしまったベランダ喫煙ですが、マンション、アパートのような集合住宅での喫煙トラブルは結構多いものです。ベランダ喫煙以外にも、トラブル例を探してみましたが、こんなのがあるようです。

  • 各部屋の換気扇の排出口が廊下側ついているので、どこかの部屋で喫煙すると廊下中臭い
  • エレベーターやロビー、メールボックス、駐車場、ゴミ捨て場など共用部分で吸う
  • 2階より上の住人が吸い殻を階下にポイ捨てする
  • 非常階段、屋上出入り口などに勝手に灰皿を設置して喫煙所代わりにしている

NOこれらの行為はマナー違反に該当していても、「管理規約」などで禁止されていなければ、すぐにやめてもらうのは難しい場合もあります。管理組合や理事会、管理会社と相談して、中止を要請してもらったり、「管理規約」自体を変えてもらうなどして対処しているようですが、効果はまちまちというのが現実です。

かつては「いつでも、どこでもOK」なたばこでしたが、現代社会ではそうはいきません。今回の裁判では「私には吸いたい時に吸う権利と自由がある」という主張に対し、「他人の自由や尊厳を無視してまで認められる自由は、たばこにはもうない」と警告した形になるのかなと思えます。

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