逆説志向で気持ちを楽にして禁煙を考えてみる

「失敗したらどうしよう…」。何か大事な事に挑もうとするとき、とても恐くなってしまうことがあります。

ビジネスやスポーツ、勉強などあらゆる局面で「失敗」という文字が付きまとい、胸の辺りが苦しくなったり、ご飯が食べられなくなったり…。中には眠不眠になってしまったり、身体が震え出したりというつらいケースもよくありますね。

禁煙でも同じように

  • 「禁煙したいけど、できなかったらどうしよう」
  • 「禁煙成功させるように絶対頑張る」
  • 「たばこが吸いたくなってもとにかく我慢だ」

と強く意識するあまり、結局、禁煙に失敗し「自分はなんて意志が弱いんだ」と自己嫌悪に陥ってしまいます。

こうした「禁煙を誓う→でも禁煙失敗」というパターンを何度も繰り返している方には、ぜひ「逆説志向」の考え方を取り入れてみることをおすすめします。

あるがままを受け入れてみる

pool逆説志向は心理療法のひとつで、人々を悩ます症状を「受け入れていく」ことで症状を改善、解消していく方法です。吃音や書痙、あがり症、不眠などの症状や強迫性障害やパニック障害の治療の一環で用いられることもあります。特徴的な考え方は「○○だっていいじゃない」と割り切ってしまい、闘わないという点にあります。

禁煙希望者で考えてみましょう。

「たばこを我慢する! 絶対吸わない」と誓ったり念じたりしますと「たばこ吸いたい自分」との闘いのゴングが鳴ります。闘いの間は、敵であるたばこに対して、ずっと意識がむいている状態で「吸いたい」「吸いたい」という気持ちを無理に抑えつけていますからとても苦しい状態が続くことになります。

心の鏡の向こうに「たばこ吸いたい自分」がずっと存在し続けるわけですから、常にトゲが刺さっているように無意識的にマイナス暗示をかけ続けているようなものですね。これはやはり相当苦しいことだと思います。

たばこを吸いたがる自分を嫌わない

ニコチンの体外排出は3日でピークを迎えますので、身体的な禁煙は実は数日で達成されます。あとはニコチン脳が正常化していく過程での心理依存の問題にすぎません。

であればこそ、逆説志向によって心理依存と闘わず「たばこ吸いたくなるはしょうがないよな」と受け入れてしまうことがとても有効です。間違っても「たばこを断ち切る」と勝負しないことです。

  • 「今まで吸い続けてきた自分」(過去)→それもOK!
  • 「今後も吸いたくなるかもしれない自分」(未来)→それもOK!

「えー、たばこ吸いたい自分認めたら吸っちゃいそう」という声も聞こえてきそうですが大丈夫です。「吸わない」「吸えない」とあまりに強く意識するので「餓え」が生じてしまうのがほとんどで、身体的にニコチンが抜けてしまうと後は「さあこい!たばこ吸いたい気持ち」と待っていても、拍子抜けするほど平気なものです。

たとえ、「それでも吸いたい」という衝動が沸き上がってきても、元々が闘っていないので今はとりあえずやめとくかというしのぎの積み重ねや他の代替法で十分対処できます。

あらゆる局面で生きる逆説志向

実はこの逆説志向を生み出したのはヴィクトール・フランクルというオーストリア精神科医です。フランクルは第二次世界大戦中、ユダヤ人であるために、ナチスによって家族とともに強制収容所に送られました。

収容所体験を通してフランクルは「どれだけ悲惨な状況でも自分の生きる意味を知っていたら悩むことはない。そして自分の生きる意味を持つかどうかは本人次第」という考えに至ります。

そして「不安に悩むのは、自分の生きる意味を見失い、不安から逃れようと努力するからだ。人が本当に恐れなければならないのは,不安に感じることを恐れることだ」という答えを見つけ出します。

これが逆説志向の出発点で、この逆説志向が世界的な名著「夜と霧」を生み出す原動力となります。

「夜と霧」は「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本とされ、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読み継がれてきています。フランクルの説く逆説志向は禁煙に限らず、人生のあらゆる局面で悩みを抱える人たちの支えとなり、力強く励ましてくれることと思います。

夜と霧 新版

ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 2002-11-06
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