経口禁煙補助薬「チャンピックス」は救世主なの?

日本初の経口禁煙補助薬「チャンピックス」(ファイザー社)はニコチンを含まずに、ニコチン依存症を治療する目的で開発された薬です。

日本では2008年に厚労省の承認を得ましたが、欧米ではひとあし早く2006年から販売されている実績があります。ご存じのように「たばこが吸いたくなくなる」という夢のようなキャッチフレーズが有名ですが、同時に吐き気や精神状態が不安定になるなどといった副作用例のニュースもあります。一体、「チャンピックス」とはどんな薬なのでしょうか。

チャンピックスは先回りしちゃう薬

「チャンピックス」は一般名を「バレニクリン酒石酸塩(しゅせきさんえん)」と言います。禁煙を助ける薬です。

化学的な詳細は、薬を製造販売しているファイザーおくすり110番の項目をご覧になっていただくと分かりますので割愛しますが、私の独断と偏見でざっくり言うと、ニコチンが脳内で呼び起こす快感を先回りしてニコチンの邪魔しちゃう薬です。

ただ邪魔をするだけだと、喫煙者の渇望を満たすことができないので、ちょっとだけ神経伝達物質のドーパミン(ドパミン)を放出させる作用も持ち合わせています。つまり「チャンピックス」はニコチンの邪魔をしつつ(ちょっと弱いけど)快感も与えてくれる作用があります。

「すげー、チャンピックス飲んだら禁煙楽勝じゃん♪」。そんな声が聞こえてきそうですが、判断を下すのは、ちょっと待ってくださいね。「チャンピックス」の使い方が難しいのはこれらの作用が中枢神経、つまり脳内をいじって生まれる作用だという点です。

でも確実性は高い気がする!

どうでしょう。「脳内をいじる」と聞くと、すこしドキッとしませんか。だからこそ日本国内では医師の処方の下で服用することとなっています。あの、ほんとに発想というか、考え方というか、薬の効能は素晴らしいです。個人的には正しく服用することができる状況(心も体も)なら、確実に禁煙できる薬だと思います。

ですが、脳はやはりデリケートな部位ですので、素人判断での服用は危険だと思います。特に統合失調症や躁うつ病など精神疾患がある場合、病状の悪化には十分に気を付けなくてはいけません。因果関係は、まだ解明されていませんが、アメリカのFDA(Food and Drug Administration:食品医薬品局)は「チャンピックス服用が自殺につながる危険性も否定できない」と2007年に言及していますので、服用の際には、医師との十分な相談をした方が賢明です。

ごにょごにょして手に入れたり、処方された人からもらって飲むというのはやめましょう。万一、私の知人のようにズルをした飲み方をした挙げ句、副作用を起こして救急搬送されるとそれはもうお医者さまからガッツリ怒られます。

きちんと禁煙外来で処方してもらうと、医師から正しい使い方の説明がありますが、成人の場合の基本は、12週間服用することになっていて、3日目までは0.5ミリグラム錠を1日1回食後に服用、4から7日目までは0.5ミリグラム錠を1日2回朝夕食後に服用します。8日目からは1ミリグラムに格上げして、1日2回、朝夕食後に服用することになっています。

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photo credit: mazgrp via photopin cc

「チャンピックス」は「喫煙者の救世主」足り得ると思います。ですが、その絶大な効果を正しく享受するには、やはり、きちんと医師の指導に基づく必要がある、というのが筆者の見解です。

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